私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
京都府租税教育推進連絡協議会賞
子供達のための税について

京都府立清明高等学校 F年
茂木 よし乃

 私は税の作文を書くにあたって、一人の子供を育てるのにどれだけ税金がかかるのだろう、と疑問に思い調べました。

 まず、出産にあたって一児につき四十二万円確定申告で、出産費用なども控除されたり、0才から中学卒業まで住んでいる市区町村で「児童手当」も月々支給されます。

 十六才以上の子供は、一定の要件のもと所得から一定の額を引くことができる「扶養控除」があります。その他保育園ベビーシッター認可外保育施設等、サービス利用料などありとあらゆる所で助成されます。 一年間で一人あたり子供に使われる税金は、小学生は約八十四万八千円、中学生約九十七万九千円、高校生約九十一万三千円ということでした。

 一番、長期に渡って子供が税金でまかなわれている施設で利用しているのは学校でしょう。私は、小学四年生の時に不登校になりました。普通の小学校に登校していましたが、 小学五年生の時に京都市立「ふれあいの杜」という学習室に通い始めました。そこは、子供一人一人の状況を見て入級出来る所で、私は、先生と一対一で授業を受けていました。 広く静かなスペースで、普通の学校生活に疲れていた私にとってそこは、心から落ち着いて勉強出来る空間でした。ふれあいの杜には中学一年まで在校しましたが、先生の勧めで京都市立の「洛友中学校」に転入学しました。 洛友中学校は不登校特例校です。様々な事情により、義務教育を修了出来なかった人達が集まる所で夜間部のある、学校でした。

 なので世代や国籍を超えて、漢字が覚つかないような高齢者の人達や外国の方など先生方に丁寧に教えてもらって学校生活を楽しんでいる、とても新鮮な環境でした。そして、中学校も全校生徒が十五人程度で、 ボランティアの方々と先生を合わせると生徒よりも人数が多く、何かあったらすぐ相談できる先生と距離の近い学校でした。

 ふれあいの杜の広くて安らかな場所で過ごせた事と、洛友中学校で先生方の手厚い指導と夜間部の方達との暖かで、楽しい学校生活を送れた事は私にとって、 一生に関わる大事な時間でした。二つの場所がなかったら、私は今も家に閉じこもったままでいたかもしれません。

 そしてそれはすべて税金でまかなわれ、費用はかかりませんでした。税金は色々な使われ方があると思いますが、人が生きやすくなるために助け合いとして支払う物でもあり、 弱い立場や困っている人に寄り添い、救われるためにある大事な生命線だと私自身、実感しています。

 私は将来、どんな職業に就くかまだ決めていません。今回子供一人に税金がとてもかかる事も知り、助けが必要な子供達のためにも働いて税金を納められる大人になりたいと思います。