私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
京都府租税教育推進連絡協議会賞
いつもそばにいてくれる税金

学校法人京都精華学園 京都精華学園高等学校 2年
宮前 すずな

 三百六十五日、常に人間と親密に関わっているのが税金だと私は思っています。 しかし、直接的に関わっているのは消費税のみであると思っていました。相続税やたばこ税などの多くの種類の税があることは知っていましたが、 それらの税金がどのような使われ方をするのか考えたことがありませんでした。私は、これから紹介する出来事によって税金による制度のすばらしさを実感します。

 一昨年の十二月頃、両親が離婚し、片親になり、母はこれまで二十年ほど専業主婦でしたが働きにでることに決めました。 しかし、養育費や収入はあるものの、パートタイムでまだ働きはじめたばかりだと収入もあまり多くなく、今までのように生活することができないこともありました。 しかし、そんな私たちを陰で支えてくれたのが税金を使ったひとり親世帯への給付金や控除でした。

 例を挙げると、給付金については、子育て世帯生活支援特別給付金や京都市くらし応援給付金などで、控除については、ひとり親控除などの支援があります。 まず、二つ例を挙げた給付金はどちらも食料品等の物価高騰の負担が大きい世帯へ支援されるものです。 僅かな違いとしては子育て世帯生活支援特別給付金は十八歳未満の子ども一人につき五万円が支給され、全国的に行っている制度であり、 京都くらし応援給付金は住民税非課税世帯に対して一世帯当たり三万円の現金給付を行い、この取り組みは京都市のみで行われている制度です。 そして、ひとり親控除は、シングルマザーやシングルファザーといったひとり親を対象にした所得控除で、元々は結婚歴のある女性は寡婦控除、 男性は寡夫控除というように性別によって控除制度や控除額が異なりました。さらに、未婚の母親は控除を受けられないようになっていました。 しかし、二〇二〇年からは寡夫控除は廃止され、ひとり親控除が新設され、寡婦控除も見直されました。ひとり親控除は従来の控除制度と違い、 結婚歴や性別が問われないことが特徴的であり、これまで以上の方々が控除を受けられることになりました。これらの例に挙げた給付金や控除制度により、 私や家族、同じような境遇の方々が経済的にも、精神的にも救われたのではないかと思います。

 税金と聞くと、どうしてもネガティブなイメージや遠い存在のように感じてしまいがちですが、実はすぐ近くで私達と関わり、支えてくれているのだと近年とても感じます。 物を買った時に税金がつきますが、日本や遠い所にいる誰かを救っていると考えると、税金を払うことで私はこの世にとって良い行いをしていると考えられ、 税金に対して良いイメージを持てるのではないかと考えています。これからも税金について知り、理解を深め、社会に貢献できたらいいなと思います。