私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
京都府租税教育推進連絡協議会賞
税のおかげで今の自分がある

京都府立洛東高等学校 3年
青木 裕也

 「なぜ税金を払わないといけないのか」そんなことを思っている人は少なからずいると思う。 例えば、スーパーなどに行くと税込価格と税抜価格が分かれて表示されているが、税抜価格で買えたらいいなと思ったことはないだろうか。 「なぜ高い方の値段で買わなければならないのだろうか」自分も前まではそんなことを思っていたのだったが、税のありがたみがわかるようになった。

 それは、自分が潰瘍性大腸炎になったことだった。この病気は、大腸の粘膜に炎症が起こることにより下痢や腹痛、血便などの症状が現れる厚生労働省の指定難病だ。 現代の医療では、完治することは難しく、寛解期を維持することしか治療法はないのだ。そのため、長期的に治療を続けるしかなく、生活に負担がかかるぐらいの医療費を払わなければならない。 しかし、難病医療助成制度により、必要な薬や治療費を補助してもらっている。これによって、私は病気による経済的な負担を軽減することができ、安心して治療に専念することができている。

 なぜなら、社会の公共財やサービスを提供するための資金が確保されており、政府が教育や医療、交通インフラなど、国民全体に利益をもたらす公共の財やサービスを提供してくれてるからだ。 また、税を通じて社会保障制度も支えられている。もしも将来、潰瘍性大腸炎などの病気によって働けなくなった場合、社会保障制度が支援を提供するケースがあるのだ。 このような給付や保険制度は、税の一部が運営費用に充てられている。

 私は今、税のお世話になっている。それは、医療費や社会保障制度が維持されることによって、治療や生活の支援が受けられることを意味する。 税の存在は、私たちの社会と共に生きる上で必要不可欠なものであり、公共財やサービスの提供、そして個々の人々の福祉を支える役割を果たしているのだと思った。

 税金を支払うことは、時に負担に感じるかもしれない。しかし、その対価として私たちは安全で快適な環境で生活できているのだ。税金がきちんと使われることで、私たちは国や社会の発展に貢献することができている。

 私は、「税のおかげで今の自分がある」と感謝している。