京都府知事賞
税の制度について考えた。
京都府立海洋高等学校 1年
谷口 明海
ある日、こんな親の体験談を聞いた。母は僕達を出産するまでの約二か月間は、入院して毎日24時間の点滴と検査三昧の寝たきり生活だったそうだ。父は父で医師から万一のときは母体を優先して助けるとまで言われて気が気でなかった。「双子出産だし備えてはいたけど、
予想以上の長期入院と検査だし、出産後も二人とも新生児集中治療室に入るとか多子出産の大変さに直面したけど、病院から高額療養費や小児医療費助成とかの支援制度の詳しい説明があったのと、出産時の一時金のことも知っていたから、なんとかなると信じて自分と二人の命を守ることだけ考えた。」そうだ。
税金について、漠然と「取られるばかり」とか「不公平」「高い」というマスコミなどのネガティブな言葉の印象しかなかった僕は、リアルな税金の恩恵を知り、その意味を考えるようになった。調べてみると、日本では出産時の母親の死亡率は、二〇二〇年度で約2.7%だそうだ。 出生時の子どもの死亡率も日本は世界と比べてかなり低い水準だ。これらの数字は、深刻な少子化社会の日本では出産数そのものが少ないことや他にも様々な要素が影響しているだろうが、やはり一番の大きな要因は、死亡率が高かった昔と比べ、現在は病院などによる安全な分娩管理が確立しているからだと思う。 そしてその病院などでの管理が確立し、さらに充実が進んでいる背景には、税金の運用による病院への分娩取扱施設支援や小児医療施設支援といった事業や、母がそうであったように、当事者への様々な支援制度が設けられ、社会のニーズに沿って今も拡充し続けられている制度がある。 つまり、僕達は生まれる前からすでに税金による制度によって、手厚く命が守られているのだ。そこでは税金は決して不平等なものではなく、また不可欠なものだ。そしてこれこそが、憲法が保障する基本的人権の尊重の実現であり、税金はその立役者なのだ。欠けてはいけない存在だ。
確かに、税金には、時に疑問が残る使われ方や税率で不公平感などもあるのかもしれない。今のように物価高が続く社会だと、税金を払うことは負担に感じるだけかもしれない。だけどそれは自分都合だけの視点だ。それも大切な視点ではあるが、それでは社会は回らない。 どんな時も少し視点をずらしてみれば、税金を負担している以上に税の恩恵を受けていることに気づけるはずだ。決して負担するばかりではないはずだ。どんな制度にも、不備や運営する側の設計ミス等はあるし、また税の恩恵は、広く当然すぎて見えにくい。
それでも税金制度が社会に寄り添い、負担と恩恵のバランスがより良い方向に進むには、制度の全体を見ずに否定的になったり、恩恵を受け慣れて無関心になるのではなく、一人一人が税金について関心を持ち、その意義を正しく理解した上で納税することが大切だと改めて思った。
税金について、漠然と「取られるばかり」とか「不公平」「高い」というマスコミなどのネガティブな言葉の印象しかなかった僕は、リアルな税金の恩恵を知り、その意味を考えるようになった。調べてみると、日本では出産時の母親の死亡率は、二〇二〇年度で約2.7%だそうだ。 出生時の子どもの死亡率も日本は世界と比べてかなり低い水準だ。これらの数字は、深刻な少子化社会の日本では出産数そのものが少ないことや他にも様々な要素が影響しているだろうが、やはり一番の大きな要因は、死亡率が高かった昔と比べ、現在は病院などによる安全な分娩管理が確立しているからだと思う。 そしてその病院などでの管理が確立し、さらに充実が進んでいる背景には、税金の運用による病院への分娩取扱施設支援や小児医療施設支援といった事業や、母がそうであったように、当事者への様々な支援制度が設けられ、社会のニーズに沿って今も拡充し続けられている制度がある。 つまり、僕達は生まれる前からすでに税金による制度によって、手厚く命が守られているのだ。そこでは税金は決して不平等なものではなく、また不可欠なものだ。そしてこれこそが、憲法が保障する基本的人権の尊重の実現であり、税金はその立役者なのだ。欠けてはいけない存在だ。
確かに、税金には、時に疑問が残る使われ方や税率で不公平感などもあるのかもしれない。今のように物価高が続く社会だと、税金を払うことは負担に感じるだけかもしれない。だけどそれは自分都合だけの視点だ。それも大切な視点ではあるが、それでは社会は回らない。 どんな時も少し視点をずらしてみれば、税金を負担している以上に税の恩恵を受けていることに気づけるはずだ。決して負担するばかりではないはずだ。どんな制度にも、不備や運営する側の設計ミス等はあるし、また税の恩恵は、広く当然すぎて見えにくい。
それでも税金制度が社会に寄り添い、負担と恩恵のバランスがより良い方向に進むには、制度の全体を見ずに否定的になったり、恩恵を受け慣れて無関心になるのではなく、一人一人が税金について関心を持ち、その意義を正しく理解した上で納税することが大切だと改めて思った。

